降りそうで降らない空から不意打ちのようにパラパラ
と思って見るとすぐに止んで 午後のおやつの頃には
しとしとと降りだして、屋根を濡らしている
幼いころは、ハルジオンやヒメジョオン、たんぽぽ、アカツメクサ
野に咲く花と呼ばれるものを摘んでは持ち帰り牛乳瓶などに挿した
ちいさくても、温かい手に握られた花は、家に着くころには
くったりと花は萎れていて、水を吸い上げ元気になる花もあれば
そのまま萎れたままの姿が目に浮かぶ
いまは花を見かけると立ち止まって、こころの中で話しかける
この場所で咲いているからこそ愛らしいのだと知ったから
それでも、日常で花と暮らす術を身に着けた人をお手本に、いつかは
自分の暮らしの中に摘んだ野の花を飾ることができたら素敵だなと思う